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report 下関市川棚温泉交流センター川棚の社


安養寺木造阿弥陀如来坐像収蔵施設   設計 隈研吾建築都市設計事務所 山口県豊浦町

安養寺木造阿弥陀如来坐像収蔵施設の設計にあたりヒントとなったされる土壁

安養寺木造阿弥陀如来坐像収蔵施設の壁面

下関市川棚温泉交流センター 設計 隈研吾建築都市設計事務所

周辺の山並みと下関市川棚温泉交流センター 

下関市川棚温泉交流センター 内観

11月21日(日)に行われた「川棚の社」建築案内、阿部海太郎 ピアノソロライブのレポートです。

今回行われた建築案内ツアーは川棚の社の設計担当者である隈研吾建築都市設計事務所の藤原徹平氏の案内によって行われました。

ツアーでは同じく隈研吾建築都市設計事務所が設計を担当された山口県豊浦町にある安養寺木造阿弥陀如来坐像収蔵施設や樟の森、お多福の瓦そばパルコ店、川棚グランドホテル、そして阿部海太郎氏によるピアノコンサートというスケジュールのもと開催されました。

今回の建築案内ツアーで最も注目すべき点は安養寺木造阿弥陀如来坐像収蔵施設(2002年)と川棚の社(2010年)の比較ではないかと思いました。

同じ事務所によって手掛けられた年代の異なる二つの作品による対比は様々な発見があります。

用途が異なる事(収蔵施設と交流センター )はもちろん、設計プロセス(文化的背景と行政的背景)も大きく異なることが一つの特徴ではないかと思いました。

周辺環境の読み方も安養寺では様々な文化背景があるにしろ対象敷地から近い場所(ヒントとされた土壁など)を、川棚の社ではさらに遠い場所(川棚周辺の山並み)までを建築形態として反映しているように見えました。

両者は時間の経過とともにさらに周辺環境と溶け合い、数年後もまた違った表情を見せてくれることを予感させてくれる建築でした。

イベントの最後に行われたピアニストの阿部海太郎氏の演奏は躍動感あふれる演奏で、観客を魅了していました。演奏されていた曲は、ジャンルにあてはめることができない、良い意味でのノンスタイル(阿部流)な演奏でした。

このように建築家が自ら設計した建物を実際に多くの人々に紹介できるという事は、関わった人々の関係が良好でなければ実現は難しい事であり、さらにその場所を利用したコンサートという使い方も提示している点で素晴らしいイベントであったと言えるのではないでしょうか。

今後もこういった「つくる側」と「使う側」が対話できる場が増えていけば良いと感じました。


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