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report 東京アパートメント


2010年11月、東京都板橋区小竹向原駅へ降り立った。

模型のイメージとは程遠い閑静な住宅が広がる。こんな場所に本当に建っているのか?という疑問を抱きながら団地を抜け、急な坂を登り、少年野球の試合を眺めな がら中学校のグラウンドを横切る。角を曲がると、あの白い三角屋根が積み重なった東京アパートメントが現れた。「意外と風景に合ってる…」正直な第一印象。その中からオーナーである上田さんが出てきた。「もうこんな時間?いらっしゃい。」実は東京アパートメントを訪れたのはこの日が2度目。前日に来てみたものの、ちょうどその日は入居希望者との打ち合わせでオーナーさんの都合が悪く見学ができないとの事だった。多分、一般的なオーナーさんはそこで終わるのだろうけど彼は違った。「明日でよければ見学に来てよ!名刺渡しとくから、夕方にでも電話し。」東京アパートメントは完成してまだ1年も経っていない。しかし、その間本当にたくさんの人がここに訪れている。国内の建築家、学生はもちろんのこと海外の建築家ひとりでやってきたり、雑誌・マスコミなど多くのメディアでも取り上げられている。それだけのことはあって、本当に魅力的な空間がそこにはあった。その魅力を上田さんが1つ1つ丁寧に話してくれる。いい建築を作るためにはいい建築家の存在は欠かせない。でも、きっとそれだけではダメなんだと思う。いかにいいクライアントに出逢えるか、上田さんに会ってそう思った。気づけば3時間が経っていた。この東京アパートメントが完成するまでには、本当に多くの困難が立ちはだかっていた。それを、建築家の藤本さんと事務所のスタッフ、オーナーである上田さんで乗り越え完成し今日ここに私たちがいる。”桜”ルームの屋根裏空間は木の上に秘密基地を作ったときのようなわくわく感がある。そこからみる春のさくらはきっと綺麗なのだろう。東京へ遊びに行ったときはまた必ず訪れたい場所。

文=清水綾子 


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